「じゃあ、このまましっかり掴まって。目、閉じてて下さいね。」
「は?」
確認の言葉をクロムが呟こうとした途端、ふわりと一陣の風が吹いた。そしてそれに続く浮遊感。
「ぅおっ!?」
「腕、離さないで下さいね。目を閉じて、真っ直ぐしててください。……行きますよ。」
何処に、と尋ねようとした口を慣れない――否、初めて体験する足下の頼りない感覚がクロムを襲った。反射的に確かな感覚、腕の中にある身体をしっかりと抱き締める。
「!!」
何が、と尋ねるまでも無かった。そんなクロムの戸惑いなど歯牙にも掛けず二つの身体は重力に逆らいどんどん――と言っても、慣れていない人物がいるので普段よりも、かなりゆっくりだったが――上昇して行く。
「……目を開けてもいいですよ。クロムさん。」
の静かな声がしたのは、緩やかとは言え上昇が完全に止まってからで。
その言葉に従いクロムが恐る恐る目を開くと、そこには翼あるもののみに許された視界が眼下に広がっていた。
「凄い……」
思わず呟いたのは普段見慣れている景色とは全く異なる、夜の闇と静寂に包まれた世界だったからだ。
地上に居た時は鬱蒼と茂る木々の連なりが不気味とも思えたが、どうして上空から見てみればそこは一種の厳粛さすら感じる『生きた』世界で。
天馬や飛竜の力を借りるのとは違う、宙に浮くことなどできない身としては生まれて初めて見た光景でもあった。
「ちょっとこのまま……動かないで、いて下さいね。」
クロムが景色に見入っている間に、は距離を微調整しようと魔力を集中させる。まさかこのままずっと空中に静止しているつもりも無く、先程と同じよう針葉樹の頂上付近まで移動すると二人並べる程度に長さのある枝の前まで場所を移した。
「よ、っ……と。」
「うわっ!?」
相変わらず無言で景色に見入っている男の隙を突き、その逞しい背中を思いっきり引っ張った。呆気なくバランスを崩したクロムが落ちる、と胸中で慌てればその身に寄り添う温もりがあって。
「もう大丈夫ですよ、クロムさん。」
しがみついていたらしい身体越しに響いた声に弾かれるように離れようとしたクロムは、そこで始めて自分が枝に腰を掛けるような姿勢になっていることに気付いた。
「どう……なっているんだ?」
「風に乗ったんです。あぁ、力抜いても大丈夫ですよ。保定は
確かに枝に座っている姿勢ではあるものの、直接身体が触れているわけでは無く一種の浮遊感がある。
余程年齢を重ねた木でも無い限り、枝に腰を落ち着けることなど難しい。それが頂上に近付けば近付く程張り巡らせる枝は細くなるのだから、このような景色を人が見るのは通常不可能に近いのだが。
「これが本当の空気椅子か。」
「……確かにそうですけど。何でこう……クロムさんの口から聞くと、雰囲気がぶち壊しになるんでしょうね。」
「おい。」
微妙な表情をしたに対し、貶されたクロムが口をへの字に曲げた。だが次の瞬間には吹いた風に木々が凪ぎ、そんなかれの不満ごと注意を攫って行く。少し肌寒いが、それを差し引いても価値のある景色だった。
「……と、すいません。」
その言葉と共に傍らの身体がみじろぎするのを感じ、つられて横を向いたクロムがぎょっと目を剥いた。
何を思ったのかが何時も纏っている外套に手を掛け、脱ごうとしているのだ。止める間もあらばこそ、彼女は動きの制限される樹上でさっさとそれを脱いでしまう。薄い月明かりの下、クロムより余程薄着な彼女の肩が剥き出しになった。
「ちょ、お前、何だって……!」
「私は慣れてますから。」
は何をする、とか普通逆だろう、とのクロムの意見をあっさり無視し外套を掛けようと身構えた。不安定(心情的に)な体勢のせいでそれを戻す腕に力が入っていなかったが、男の意地と見栄にかけて何とか華奢な肩ごとを押し止め同時にその手の動きにも制止をかけることに成功した。
邪魔をされた当のが風邪を引いたらどうする、とありありと表情に書き頭上を仰ぐ。くっきりと眉間に皺を寄せた彼女に対し、クロムができたことと言えば口元を押さえながら顔を反らすくらいで。
(こいつ……夕方のこと、本当に忘れているのか?)
風が当たるせいでは無く、頬を赤く染めたクロムが胸中で呟く。無断に近い形で侵入した際に見てしまった、あの白く滑らかな曲線が息の交わせる距離にある。香水とは違う、控え目に薫る森の馨りまでもが動悸を速め身体中の熱をかき集めていると言うのに。
肩を押さえられて、小首を傾げながら上目遣い(当たり前だ。よりクロムの方が背が高いのだから)にこちらを見遣るその姿に、視線が外せない。あと少し目線を下げれば、剥き出しになった肩から続く胸元とくっきりとした谷間が……
「――今夜は月も綺麗ですし、もの思いに耽るには良い晩ですけど。別のものに気を取られるようでしたら、叩き落として差し上げますが?」
視線と共に鼻の下と口が下がっていくのを目にし、流石のも相手の視線が何に釘付けになっているのかに気付く。地を這うようなその声に、慌てて目を反らした隙に完全に外套を掛けられてしまった。
前は自分で止めて下さい、と告げて正面に向き直った彼女をこの頑固者と思った自分は悪くないはずだ。
「…………」
しかしそんな複雑な男心知らずな生き物は、先程と同じように月を見上げて黙り込んでしまう。
その端整な横顔をもの言いたげに見つめていたクロムだったが、その意思が曲がりそうにもないことを早々に悟り溜息を吐いた。そして元々空いていた片腕を伸ばしたくらいの距離をおっかなびっくりに縮め、掛けられた外套の半身分を広げる。
「?」
隣で何やら動く気配は感じられたが、傍らの男が自分に害を与えることなどないことを疑っていないの視線は上方に固定されたままで。無論害など与える気などこれっぽちも無いクロムも、それと知りつつ広げた外套を剥き出しの華奢な身体に躊躇い無く被せた。
「ク、クロムさん!?」
「もうちょっとこっちに寄れ、。いくらこの外套が男物でも、二人は辛いからな……」
確かに外套の身幅は決まっているから、二人で共用するとなれば距離を縮めなければ役に立たないだろう。
だがだからと言って夕刻あんなことのあった相手と身を寄せ合えと言うのかこの男は!?等色々言いたいことがあるであったが、腰に回された手によって有無を言わさず引き寄せられてしまえば、その言葉を感情諸共に飲み込むしかない訳で。
「これで良し。多少は違うだ……」
「…………」
ろ、と言おうと顔を上げたクロムが固まった。隣にある小柄な人物の、顔から首元に至る素肌の部分が真っ赤に染まっている。何が、と思うまでも無く激しく狼狽しているのを目視してしまえば、クロム自身も固まるしかない訳で。。
「…………」
まさかからそんな反応を返されるとは予想していなかったクロムもその熱が伝染ったように赤くなり、だが引き寄せた手は離さぬまま、むしろ一層力を込めて引き寄せた。離すつもりは無いと、その強固な意思を込めて。
「…………」
一方、引き寄せられたも腰に回る手とゼロに近い距離、そして何より鼻腔を擽るクロムの匂いに大いに焦っていた。ただ暖を取るためだと分かっていても、まだ記憶に新しい黒歴史を思い出せば焦らない方が嘘だ。
自分でもクロムにもそれと分かる程緊張していた身体だったが、その鼓動を数えられる程度に時間が経ったところで漸くその力を抜くことに成功した。
身体越しにその気配と重みの意味に気付きクロムは若干目を見開いたが、何も言わず腰を抱く腕に力を込める。
「……何を考えてた?」
暫くして、クロムがぽつりと呟いた。特に脈絡の無い、だがずっと尋ねたかったこと。いつ、と言わなかったのはクロム自身がそれを限定できなかったからで。
「……そうですね。そう、何か……色々と。色々、は考えてましたね。」
てっきり何も、と返ってくると思っていた予想に反して、曖昧の極みにしてこれ以上無い本音の答えにそうと悟られぬよう目を見開く。
気配を殺して傍らの彼女に向けて視線を下ろせば、見えたのは体格差も相まって頭頂の旋毛だけ。しかし何故か見ずともその表情は手に取るように分かってしまった。
「……具体的に聞いたら、怒るか?」
「……怒りはしませんよ。巧く答えになるかは……自分でもあまり、自信が無い、ですけど。」
とりとめのない思考であることは、間違いないのだから。
「記憶のこと。これからのこと。今のこと……本当に、熟と考えていただけなんです。」
「記憶のことは俺にも答えられんが……フェリアについてのことなら、俺にも相談して……」
「具体的なことは、この前お話しした通りですので……後は本当、成るようにしか成らないんです。正確に言えば、為すようにしか成らないなんでしょうけど。」
「……じゃあ先のことの、何を考えていたんだ?」
何となく嫌な予感を覚えながら尋ねれば、らしくなくが言葉に詰まる。詰まる、と言うよりは探しているといった色が強かったが。
「……イーリスでの。私のやるべきことが終わったら、どうしようかと……まだ多少の時間はかかるでしょうが、それでもその日は遠からずやってきますから。」
「どうしようかってお前……!」
思わず声を荒げそうになったクロムが言葉を失った。
言葉も何も使わずに相手の声を奪う、全てを飲み込んだ哀しげな微笑み。
月の陰影に浮き彫りになった、美しいと賞されるべき――クロムの最も嫌いな
「フェリアとの同盟が成れば、私がイーリスですべきことは終わります。元々この国の人間でない私にとって、それは居場所が無くなるのと同意義です。まぁ、選択肢はあってなきようなものなんですが。」
自嘲気味に呟いたに、漸く我に返る。嫌いな表情とは言え、目と言葉を奪われてしまったのは紛れも無い事実で。
「何故だ!?フェリアとの同盟ができたからと言って、いや、むしろその後の方がお前の力が必要になるだろう!」
突然別離の未来を示唆され、狼狽に近い状態で詰め寄るクロムに少し困った表情をしたが口を開いた。
「……恐らく、ペレジアとの戦は避けられません。」
全く関係の見えない言葉に、クロムが思わずぎょっと目を剥く。この旅の目的でもある戦の回避を、面と向かって否定されれば彼でなくとも驚くだろう。そんな隠しもしない驚愕を受けて、は困った表情を変えることなく続けた。
「何故なら、ペレジア側に戦を止める意志が全く無いからです。戦は、どちらか一方では無く双方の意志が揃って始めて止まるもの。ですが現状、その気配すら相手からは感じられ無い……」
「ま、待て、!だが、今、俺達は……!」
「確かにフェリアに助力を求めに来ていますが、それは戦を回避する為ではありませんよ。
「い、いや。だが、しかし……!」
自警団の本部や北の街道でクロムはフェリアに助力を求めに来たと言っていたが、覚悟の意味でも具体的な意味でもやエメリナは真意の方向性を最初から異にしていたのだ。
だが――だからこそ。はクロムをスミア共々イーリスに送り返すことをしなかった。
戦の惨さも政の生臭さも知らぬ――知らなくてよい立場であることは百も承知、だがその純粋とも言える愚かさはクロムが今後国政に携わって行く上で大きな武器になる。それは努力して得られる類のものでは無く、実姉であるエメリナも、彼の軍師たるも持ち得ない彼自身の資質で。だからこそ凡百な自分達とは違い、彼は稀代の王となれる可能性を一番大きく秘めている。
最もそれは同時に暗愚と呼ばれるに可能性も持ち合わせた、言わば諸刃の剣だ。だがそれはエメリナを含めた、彼の周囲にいる人材の力によって回避できるだろう。資質は生まれ持ったもの、そしてそれに色々な経験が影響を及ぼしてクロムと言う一人の人間を培うのだ。
――無論、クロムに限ったことでは無いが。
「国同士の戦ともなれば、私のような俄軍師では無く正規の軍師の出番でしょう。……つまり、私はお役御免。できることは無くなるんです。」
「ちょ、ちょっと待て!百歩譲って、お前の言う通り戦になったとしても、お前は俺の自警団の軍師なんだぞ!?責任が増すことこそあれ、必要が無くなる何てことが……!」
あるか、とは続けさせて貰えなかった。じっと自分を見つめる漆黒の双眸によって。
「本格的に戦が始まれば、クロムさん。貴方は嫌が応にも国軍の先頭に立たれるでしょう?」
「あ、あぁ。」
「加えて、ただでさえ戦力が足りていないんです。そんな状況下で自警団の皆さんが、国に留まることを良しとされると思いますか?」
「だが、戦になればそれこそ国が荒れる。荒れた国の秩序を守るためには、どうしたって自警団が――」
必要だと言いかけたクロムが、自らに向けられる視線の強さに気付いた。
責めるでも無い、だが答えの全てを孕んだ視線に言葉を飲み込む。
「この任が終了し次第、私はイーリスを離れます。当初の予定通り、手掛かりを探してあちこち流れてみようと思っていますが……」
あちこち、がもうイーリスには戻らないに聞こえクロムは心臓を鷲掴みされたような気がした。
「と、言っても。ペレジアに協力するようなことはしませんよ。手掛かりを探すつもりではありますから、行ってみようとは思っていますけど。」
味方であればこの上無く頼もしい人材ほど、敵に回った時に厄介な者はいない。敵対するつもりは最初から無い、と安心させるつもりで言っただったが、クロムにしてみればイーリスに――否、自らの傍らに居なければ何処に居ようと同じなのだと言うことは理解していなかった。
「……そんなに、記憶が大事か?」
視線を外さず、そう声を搾り出せば少しだけ困ったような表情が返ってきて。
「大事と言うか……そうですね。知りたいとは、思います。私は何処から来て、何処へ行こうとしていたのか……」
哲学的な疑問では無い。記憶の無いにとっては、死活問題とも言うべき切実な疑問だった。
「……お前は!お前だろう!?記憶が無くたって、お前は、今、こうして此処に!俺の隣に居る!それだけじゃ……」
「私は私自身の事を、何一つ知りません。」
思わず声を荒げたクロムを、静かなそれでいて寂しそうな声が遮った。
「…………っ!!」
「私が自身のことで覚えているのは、自分の名前と……誰かから引き継いだ号だけです。誰がこの名を、どんな意味で贈ってくれたのか。誰から、何故この号を引き継いだのか。私は知らないんです……何、一つとして。……正確に言えば、記憶から消えてしまっている。」
つくづく記憶とはそれに付随する感情と感覚によって成り立っているのだと、それを失った自分だからこそ思う。
何故なら記憶が消えてしまっていても、
それはあやふやな自分にも過去があったと言う、揺るぎ無い証拠で。もしかしたら記憶に付随したまま、消えてしまったものだってあるかもしれない。――否、本当は消えてしまっている部分の方が遥かに多いような気さえする。
元の大きさが分からないだけ、消えてしまっているものの大きさに予測がつかない。――それがどんなに不安で、不安定なのか。こればかりは、クロムであっても分からないだろう。
「……消えてしまったものが、再び取り戻せるかどうかは。正直、賭けです。それも大分、歩の悪い賭け。それでも、私は私が何者であるのかを知りたい。知って――どうなる訳では無いのは百も承知していますが。」
そうまでにが自身の過去に拘る理由――口にするつもりも、伝える気も無かったが――そろそろ自分を誤魔化すのにも骨が折れるようになってきた。
ならばそれを匿し抱えたまま。一人、旅の空の下で朽ちるしかないではないか。
「・・・・・・・見付からなかったら、どうするんだ。」
「のっけから不吉なこと言わないで頂けませんか。ま、その時はその時――多分、きっと。生涯一人で居るんでしょうね。きっとそれが――私の、運命なんですよ。」
寂しそうに微笑む姿に、クロムは悔しそうに唇を噛み締めた。まるで全てを諦めたような、勝手に決めた運命を受け入れるつもりの彼女に怒りすら覚える。
「。」
だがクロムには怒りを覚える資格など無いのだ。何故なら、彼女の過去に繋がる手掛かりをもう既に二度、クロム自身の手で意図的に握り潰しているのだから。
他ならぬ自分自身の勝手な願いと都合の為に。だから、クロムには義務がある。彼女の、の。願いを叶える義務が。
「は……!?」
い、とまでは答えられなかった。何を思ったのか、クロムが急に彼女の肩に腕を回しただでさえ狭かった二人の距離をほぼゼロにしてしまったのだ。
「ククククロムさん!?」
「いいから。」
何がだと言おうとしただったが、身体が完全に密着した状態は思った以上に彼女を盛大に狼狽させた。
大きく骨張った手が肩を掴み、逃げることを許さない。咄嗟に見上げた顔は正面を向いていてその表情を伺わせ無いが、耳から首筋にかけてが月明かりのそれでも分かる程に赤い。
「…………」
「…………」
互いに告げるべき言葉を見失い、だがふとクロムの身体に掛かる負荷が僅かに増した。そのことに僅かながら驚きを覚えながらも、掴んでいた手の力を弛め下方へと身体のラインを辿らせる。収まりのよい部位に到達すると、先程と同じかそれ以上の力で抱き寄せた。
まるで何処にも行かせたく無い、そんな言葉にできなかった想いを触れた場所から注ぐように。
「……決して。」
暫く無言で上空に視線を向けていたクロムが、不意に口を開いた。視線は動かさず、その表情を伺わせ無いままであったけれど。
「代わりにならないことは、承知の上で言わせてくれ。見付かるかどうか分からない過去を探すよりも、これから先、確実にある未来と――今を。それを、優先して欲しいと思うのは――俺の、我が儘か?」
「クロム、さん……」
「記憶が無いのなら、もう一度、俺の傍らで思い出を積み重ねればいい。お前は言わば、生まれ直したようなものだろう?それなら、あの日が。俺達が出会ったあの日が、お前の生まれた日だ。……それでは、駄目か?」
耳に、心に響く深い深い
ああ、とは思う。嬉しい、と素直に言えたらどんなに幸せであろうか、と。
だが、言えるはずが無い。
記憶の無い、出自も分からない女が――否、今でもありありと思い出せる、あんな不吉な夢を見る者に応える資格など無いのだから。
「…………」
ありがとう、と胸中だけで呟いて寄りかかった逞しい肩に額を押し付ける。言葉にはできないけれど、触れた箇所から思いが伝わればいいと、そう願いながら。
腰を抱いていた手が再び遠慮がちに肩を覆い、だが先程とは違い力を込めずともことり、と僅かに掛かる負荷が増した。自然とクロムの身体も横に傾ぎ、寄り掛かる彼女の頭に自らの身体を預ける。
――互いに静かに目を伏せて。
幽けき光を投げ掛ける月だけが。
温もりを分けあうように寄り添った大小ふたつの人影を、見守っていたのだった。
長城にて W